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2013年02月28日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月28日14:10Comment(0)

賞状を書く(2)

 賞状は「資格試験」があるくらいで、そう簡単には作ることが出来ない。書家の方でも賞状は引き受けていないという人が多い。逆に賞状大歓迎という方もいる。賞状を書くには問題点が3つくらいある。


 
 1つ目は、既製品ではない賞状用紙を入手するのがなかなか難しいことだ。もちろん何らかの書道協会に属していたり、懇意にしている書道用品専門店があればそうでもないだろうが。中にはネットがあるじゃないかという人がいる。しかし、ネットではいったん購入してみないとどんなものか分からないので、結構無駄が多くなるし、ネット購入そのものを嫌う人もいる。オークションならなおさらだ。

 既製品はインクジェットも可能なタイプで基本的にはプリンターで印刷することを主眼にしているものだ。位置確認用の補助用紙もついている。時代の流れが手書き用品を駆逐しているのがよく分かる例だ。用紙サイズはA3、B4、A4、B5の他特殊サイズもあるようだ。プリンタで打ち出す場合は、A4プリンターが多いのでこのサイズがよく売れている。縦仕様と横仕様がある。だいたい、500円から1000円程度で10枚入りが購入できる。鳳凰と唐草の縁取りをあしらったものが付いているが、金色の場合と薄い褐色の場合がある。下地も白と黄色がある。一般のこだわりのない人はプリンタ出力で何も文句を言わない。手書きの場合は、A3縦書き、B4横書きが一番多い。

 2つ目は書体の問題である。一般的に賞状は品よく見せるだけではなく、少しデフォルメを入れて格式高く仕上げるのが普通で、単に「正楷書体」を並べても賞状らしくないのだ。だから、それ用の「賞状書体」といわれているものがある。賞状書士とか賞状技法士の講座を受ければ、必須になっている書体である。もちろんそれは一種類ではない。協会によって異なるのは当たり前。

 では、なぜ一般的な書家は賞状を書きたがらないか?それは、普通にいう書家は書の展覧会に出品することを主体に書を作り上げているので、そういう実用的な書道には関心が無いのである。そういうわけなので、展覧会を主体の書家には無理に依頼をしないようにしよう。

 3つ目は鉛筆での賞状の「文字位置割り付け」の問題である。芸術書道は割り付けなど論外で、瞬間の技術であり、空間把握の技術である。つまり、あらかじめ決められたものではなく、その場その場で生み出していくものが芸術書道なのである。

 しかしながら、賞状は決められた大きさ、幅、高さ、文字の大きさや印鑑位置を考慮しての構成技術となる。だから、あらかじめ割り付けをせずに書いてしまうと、設計図のない家を建てるような奇妙なものが出来上がってしまうのだ。賞状士養成をしている協会では「実物割付帳」など販売しているので、これを購入しておくと賞状の割り付けが簡単に行えるようになる。便利なものである。

 しかし、「天才」は何も準備しなくてもそれらを「魅力的なもの」に変えてしまうから大したものだ。あやかりたい、ぜひあやかりたい。   


2013年02月23日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月23日10:26Comment(0)

賞状を書く(1)

 誰でも1枚くらいは広義の賞状なるものをもらったことがあるだろう。実は賞状類には次の4種類のものがある。



 ①賞状(しょうじょう)
・広く出回っているもので、個人及び団体に授与される。贈与者は国、官公庁、地方自治体、学校法人、企業、各種団体と幅広い。内容的には受賞者の功労を褒め称えるものになる。例としてはスポーツ、絵画、書道、音楽コンクール、デザインコンクール、広告(CM・CF)コンクールなどがある。
・文末は「これを賞します」という締めくくり方をするという約束になっている。

 ②感謝状(かんしゃじょう)
・これもいくつか種類がある。
・社会性・公共性の強いものは国、地方公共団体などが贈呈するものである。個人、企業、団体が対象で骨髄ドナーの提供者、献血協力者などがそれに当たる。
・企業または企業グループがその協力支援を感謝し、特定の企業や法人に贈呈するものである。
・緑の募金とか、共同募金に一定額の寄付をした人に贈呈するものである。
・主文は授与者に対しての感謝となる。その中身は、寄与、協力、あるいは人命救助なども含まれる。
・文末は「謝意を表します」「感謝の意を表します」などとする約束になっている。

 ③表彰状(ひょうしょうじょう)
・社会性・公共性の強いものは国、地方公共団体などが出すものである。社会的貢献者が対象(勲位など)。
・企業内で特に企業における功績が高い特定の個人またはプロジェクト・チームに出すものである。トップセールスとか、商品開発グループなどが対象。
・企業内で特に企業において長期の勤めてくれた特定の個人に出すものである。永年勤続者が対象。
・主文は特定の個人またはグループの功績を称える内容とする。
・文末は「これを表彰します」とする約束になっている。

 ④認定書状(にんていしょじょう)
・資格試験や講習などで定められた単位や資格を終えたことを認め、証明するものである。
 競技よる認定、試験による認定、実務経験による認定、認定講習、単位取得による認定などがある。
 世間ではもっとも一般的なものである。
・主文は何について証明するかという内容とする。
・文末は「これを証する」「これを証します」とする約束となっている。
 
 この中で普通の人が必ず持っているものは最後の④認定書状であろう。できれば、このすべてを貰ってみたいものだが、それは夢のまた夢かもしれない。当たり前か。  


2013年02月22日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月22日17:14Comment(0)

巻物の箱に表書きする

 あなたは「巻き物」を書くようなことがあるだろうか?昔であれば、そんなことは当たり前とはいかなくても、「免許状」とか「由来書」とか「物品目録」などに多用していた節がある。映画などで頭を下げ、桐の箱に入った免許状を戴く様子は絵になる。奉書で戴くよりも「ありがたみ」がある。う~ん。俗人はこんなものだ。



 さて、近年においては昔のような使い方も残ってはいるものの、桐箱は書画を収めるのに使うのが一般的ではないだろうか?もちろん巻けないものは綴じて帳面のような形にして桐や漆塗りの重箱などに収めることになる。桐は見た目の美しさだけでなく、保管に便利で、軽くて適度に柔らかい。さらに保護(耐衝撃性)力が強く、梱包や輸送が簡単で焼却廃棄処理も簡単にできる特徴がある。紙の箱よりは数段上等である。

 書き方だが、クライアントの趣旨をよく理解していないと違ったものが出来てしまう。自分が依頼者の場合は「共箱(ともばこ)」と呼ぶ。アルツハイマーになってすっかり忘れてしまわない限り、自分でしっかり証明できる。他人の作品を購入して箱を作る場合というのは、書画の整理や検索の便宜上箱書きをすることが多い。購入者が自分で書いてもよさそうなものだが、やはりそこは名の通った書家に書いてもらった方がきれいだし格式高く思えるので、書家に依頼が行く場合が多い。

 書き方だが、表に「作品名」「作者名」を表すものを書くのが普通だ。「中曽根筆条幅」とか「大江詩大観書」などと書く。もちろんクライアントが「こう書いてほしい」ととか「素人風に書いてくれ」と言われればその通りに書けばよい。内側には、その書画の由来や、鑑定に関することを書くのが普通だが、何も書かない場合もある。

 箱書きは結構むずかしい。1つしかサンプルがない場合は、すべて推定になる。たとえば、桐箱に書いたときの墨の濃さとか、墨の吸上げ量、引っかかり、滲みなどだ。予備が無いので事前の準備や計測が重要になってくる。測るという行為は大工の専売特許ではない。書家や画家もみんないろんなものを測っているのだ。鉛筆の割り付けも後で消せるような材質であればOKだが、それはやってみないと分からない。もう一つ注意する点は木目に逆らわないことだ。

 最後に、墨が乾ききるまで決して触らず、表面を擦らないこと。これをやったらお終いである。名人に鉋(かんな)をかけてもらうしか方法はない。

 さようなら。  


2013年02月21日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月21日17:37Comment(0)

お品書きを書いてみる

 私の教室でも何度か取り上げた課題だが、お品書はけっこう難しい。配列もそうだが、品よく書かなければ、食欲減退の原因になるのだから、責任重大だ。普通のお品書きは紙に書かれたもので、厚紙か、厚紙をコーティングしているものが多い。

 大衆食堂のメニューは品物と値段を書いているだけだが、カテゴリー別に品名を並べ、等幅に均等割り付けしているものもある。その方がすっきりしているのだが、少し殺風景だ。そこで、飾りを入れて書く課題を考えてみた。これは個人ごとに出す「お品書」で来訪者の名前が入っている。食事の内容は今一つと言われたが、このような「もてなし」に会えば大感激だと言われたので、まあ良しとすることにしよう。

 

 これは手に取ってみるものなのだが、壁に貼りつけるものもある。その場合はきちんとした書体より、ある程度「デフォルメ」のきいた書体の方がインパクトがある。目のそばで見るのと、いざ壁に取りつけて見るのでは全く見栄えが違う。おとなしめに書いたものだと字が死んでしまう。しかし、あまりに乱暴(豪快)に大きく書いてもいただけない。難しいところだ。

 いずれにしても割り付けとサンプル(縮小モデル)は必要だ。書体は読みやすい楷書、あるいは行書か隷書になるだろうが、汚さないように左から右へと書いていく。これは賞状を書くときと同じだ。さらに余白の取り方が見栄えのポイントになるのでモデルの検討は大切だ。クライアントの意見も入れながらモデルを作るが、最後は気合で書き上げるしかないので、気持ちを高めて一気に書き上げよう。
 健闘を祈る。あくまで自己責任でね。   


2013年02月20日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月20日12:57Comment(0)

題字を考える

 人気の書籍・テレビ・映画の「タイトル」には印象的なものが多い。映画の配給会社では洋画の原題をいかにうまく翻訳するかのセンスを問われる。内容のいい映画でもタイトルですべてを台無しにされるものがあるからだ。誰かさんの受け売りだが、「ダメなものはダメ」なのである。
 
Blog「カゲヒナタのレビュー」では「センスのいい邦題」としてこんな例が挙げられている。

 原題:BONNIE AND CLYDE:
 邦題:俺たちに明日はない
 原題:Dr.Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb:
 邦題:博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

 確かにグッドセンス!と言いたくなる邦題である。ではそのようなタイトルをどう表現すればいいだろうか?日本風では、題字を「漢字仮名交じり文」で書く、日本風でないことを示すためには発音の通りをそのままで「カタカナ」で書く、あるいは幼稚さを示すものとして全部「ひらがな」で書くという手法がよく使われる。

 さらに、題字には「読みやすさ」や「見た目の良さ」が要求されるのが普通だ。この見た目の良さは題字作家(こんな人がいるのかどうか知らないが)の本領を発揮する部分である。彼に倣って、少し題字の書き方を考えてみよう。

 まず「活字体」が一番似合っているものがある。それは機械的な、あるいは電子的なものを対象とする場合である。しかし、人間を主体にするとどうしても活字体では物足りなくなる。細かな情感が表現できないからである。

 そこで使われる書体で多いのが隷書体:「八分(はっぷん)」である。隷書体は秦代(前221‐前207)に生まれた書体で、竹片(竹簡)や木の札(木簡)に硬い筆毛で書いたものである。文字の最後の波形にはねる形(波磔)と横長体が特徴とされる。この書体で書くと格式が高く感じられるので、ちょっと上品な場に用いられることが多い。隷書体にもいくつか種類がある。波磔のない古隷書、そして進化型の波磔のある八分隷である。曹全碑(そうぜんひ、八分隷)が代表的な碑文である。(Wikipedia他参照)


 その他、欧陽詢的な格式高い楷書、王羲之的な格式の高い行書が使われる他、書家の独自書体が使われることもある。いずれにしても内容とマッチしていないと違和感の溢れたものに化けてしまうので、センス以前にその配慮が必要だ。

 さて、筆で題字を書くにあたって考えなければならないことは、全体の「バランス」なので「割り付け」をしっかりとしておこう。その上で「書体」を選び、「墨色」を選び、そしてどの部分を「デフォルメ(強調)」するかを考える。

 単に字を並べるだけでは訴えるものがないのでそうするのである。ただ、今日流行っているような絵画風に変形するのは書家としては少し問題だと思う。文字を絵のように描くのは絵画作家であれば全然問題ないが、字を書くことを仕事にしている書家はやはり「字」で勝負するのが本当だと思うからだ。こう書くと古いと言われるのだが、古くて結構と言うようにしている。それが私のやり方だから。

 題字は紙に書くとは限らない。木簡であることもあるし、竹に書くこともあるし、昔の碑文のように石に書くこともある。場合によれば、モルタルの壁に書くことだってある。書く下地が何であっても準備を怠らなければ、そしてちょっぴりセンスがあればうまくいくものである。最後が一番きつい。

 それでは、健闘を祈る。  


2013年02月16日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月16日10:27Comment(0)

名刺を書く

 名刺は自分の所属する組織や肩書、資格などを紹介する「自己PR」の配布物である。英語では「Business card」という。仕事用という意味である。だから印象を深くするために「写真」を嵌め込んだり、「特殊な書体」を使ったりしてデザインに配慮することが多くなってきた。



 個人においては印刷会社ではなく、パソコンで作ることが今では常識である。仕上がりからすれば、当然印刷会社に任せた方がいいに決まっているが、少量の場合はそもそも受け付けてくれないし、割高になってしまう。ネットで頼めばいいじゃないかという人もいるが、思い通りのものを作ろうと細々と注文を付けると「ご自分で作った方がよいのではありませんか?」と断られてしまう。まあ、その言い分が正しいのだから「ぐうの音」も出ない。

 パソコン用の名刺用紙は結構たくさんの種類が揃っている。これに筆や筆ペンでで姓名と住所を入れたものを書けば自分独自の名刺になる。ただ機械ではないので、同じものを量産できない。そんな場合は、ひとつだけ丁寧に名刺を書いてそれを「スキャナー」で読み取り、名刺用紙に貼りつける方法が一番簡単である。今どきの人ならばスキャナーの使い方とか、写真の貼り付け方はお手のものだろう。機械が無かったり、やり方が分からなかったらパソコンスクールで教えてくれる。私が月1回、筆ペンを教えているカルチャー&パソコン教室の「あづま~るパソコンスクール」でも教えているので困っている方はどうぞそちらへ。

 自分で作るならば、書体を工夫して書く。自分で書いたものが印刷したものに劣るようならやる価値がない。書家や作家であれば雅号印を押したものを作ってもよいだろう。ただ「書式」は一般の名刺から逸脱しない方が無難だ。 

 つまり、会社名や団体名あるいは会の名前、肩書、姓名、住所、電話や携帯番号などは必要である。名前だけという名刺を作ると、「席札」と勘違いされることがある。人は見なれた形式にとらわれるので相手が名刺と認識するものを渡すことが必要である。あまりに斬新だとかえって目につかなくなる。理解できないからである。

 また、非公式だが、名刺の表面の余白や裏面に「伝言」や「紹介文」を書くこともある。あくまでも略式の紹介文であるのだが、自己PRのひとつとして利用してみるのもよいかもしれない。ただ目上の人には失礼にあたると言われているので避けた方が無難である。

 いずれにしても、人との差別化のためのアイテムとして、あるいはちょっとした自己紹介用にひとつぐらい作っておいた方がいいかもしれない。私は専門学校の教員在籍中に書家としての名刺を作ろうと思いたった。名前を自筆の隷書体で書き、他は活字の隷書体を用意してもらって100枚ほど作ったことがある。用紙は当時でも珍しい桐を使った。結構インパクトがあったのだが、残念なことに住所が変わってしまって使えなくなってしまった。  


2013年02月15日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月15日23:19Comment(0)

委任状の行方

 皆さんは今までに委任状に書いて、印を押したことがあるだろうか?ない?それは忘れているだけではないのだろうか?記憶を遡ってみればあるはずなんですが。

 銀行で住宅ローンの借り換えする時、税理士に税務申告を依頼する時、農協などの役員の信認の時、未成年者や禁治産者の後見人になる時、携帯電話やスマートフォンの本人以外契約変更の時などには印刷された委任状が用意されている。他にも委任状の必要なときは結構多い。



 だが、これを筆書きで書いているものはあまり見たことが無い。しかし、私が知らないだけで筆書きの委任状というものも流通しているようだ。「委任状」とは特定の事項を委任することを記載し証明するもので、委任された人(代理人)は、委任した人(委任者)に代わって権利を行使できる法的な力を持つことになる。

 書式としては、「委任状」と表題を書き、代理人の住所姓名を書き、何を依頼するかを明確にわかりやすく書く。箇条書きが一番わかりやすい。その後に日付と委任者の住所姓名を書き、右肩に収入印紙を貼る。(注)昭和の時代は委任状に印紙が必要だったが、平成になって非課税文書になったので貼らなくてもよくなっている。

 それでは、印鑑はどうなのだろう?実印でなければいけないのだろうか?

 朝日中央インターネット法律相談によれば、登記所や公証人に提出する委任状には実印と印鑑証明書を要求されることがあるそうだ。しかし、登記の場合でも不動産の買主側には実印や印鑑証明は必ずしも必要ではないとのこと。また、弁護士に交渉や訴訟を委任する場合の委任状や訴訟委任状においても、実印や印鑑証明は通常要求されていないようだ。

 そして、極めつけが「白紙委任」である。委任事項の記載が一切ないもので危険極まりない書類である。出来ればそんなものは作らない方が身のためである。

 筆で書くときには、楷書で丁寧に書くのが原則である。以下は、例文である。

<土地譲渡の委任状>
 委 任 状
私は香川県高松市高松町三五二八―一番地、鮫島幸太郎を代理人と定め左の行為をする権限を委任します

 委任事項
 一、土地の譲渡について

右 委任のこと相違ありません
 平成二十五年二月十五日

     岡山県 笠岡市 春日台二丁目百十二番地四
         黒 田 勇 雄 

 これは縦書きが本当だろうが、ブログの体裁上、横書きにしている。このようなものを書くことがあったら参考にしてほしい。えっ、委任するようなものが無いって。それはお気の毒。  


2013年02月14日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月14日22:38Comment(0)

辞表・退職願の書き方

 「この不景気なご時世に何を縁起の悪いことを」と言われるかもしれないが、人はやめる時はやめるのであり、どうやっても決心を変えることが出来ない時があるものだ。肩を叩かれて辞めるのは屈辱的だが、何かやることがあって辞めるのは恥ずかしい事でも何でもない。

 一般的には、退職意思は1月前に申し出るのが普通だ。『』今日、今から辞めます』とか、『お前は首だ、すぐに荷物をまとめろ』というのは普通ではない。前者は無責任、後者はブラック企業と呼ばれる。



 ここでは一般的な場合の話で進めよう。「辞めたい」という意思を上司に伝える時には「口頭」でもよいが正式には様式に基づいた「書類」を提出しなければならない。件の上司がのらりくらり躱して、なかなか話が前に進まない時には特にそうである。

 一般的には表題を「辞表」「退職願」または「退職届」とする。次に、退職理由を書く。以下が自己都合の時の文面の例である。
「私儀 このたび一身上の都合により来る平成二十五年三月末日をもちまして退職いたしたくここにお願いいたします」

 なお、病気療養の場合は「何卒御承認のほどお願い申し上げます」というように書くことがある。

 自己都合でない場合は会社都合になる。この場合、「希望退職」とか「早期退職」とかいう言葉を使っているが、本人が同意すれば後は単なる事務手続きだけである。有給消化とか、あいさつ回りとか何となく空虚な日々が訪れる。次が決まっていれば、新しい挑戦のための勉強に力が入るのだが。

 その次に書くのが提出日、行を変えて所属・肩書、さらに行を変えて自分の姓名、最後に会社名と肩書・社長名を尊称(敬称)をつけて書く。

 ここで注意することは、提出者の姓名が統率者(社長)の姓名より上の位置から始まらないようにすることである。一応礼儀としてこのようにする。

 いずれにしても、「飛ぶ鳥跡を濁さず」の諺の通りに、遺恨を残さずきれいな辞め方をしたいものである。  


2013年02月10日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月10日01:18Comment(0)

身上書を書くとき

 就職活動においては、「履歴書」と重複するので、普通は書かないのだが、「身上書(しんじょうしょ)」を書くことがある。この場合は会社と結婚せず、就職するわけだ。身上書の内容は縁談の時に仲人に渡す「釣書(つりがき)」に近い。釣書きの場合はこの他に「家族書」、「親族書」と「写真(写真館で撮った見栄えのよいもの)」を用意する。見栄えのよい写真は就職でも重要なセールスポイントである。最近は「仲人」稼業が成り立たなくなり、「結婚相談所」が幅をきかせているので、このような書類もめったに見ることが無くなった。



 身上書には特に相手に知らせたい「プライバシー」に関することを詳しく書く。以下のようなものである。
 
 ①身上書のタイトル
 ②身長/体重/健康状態
 ③資格/趣味/特技
 ④信仰/身の上
 ⑤自己PR

 *家族構成を書き添える場合もある。便箋1~2枚に収まるように書くのだが、必ず自筆で書くことが求められている。この場合は、筆・筆ペン、万年筆、ボールペンでも構わない。ワープロにしたらどうかという人もあるが、これはあなたの「誠実さ」を見るものなのでヘタでも自筆の方がよいだろう。わざわざ身上書を書くのだからやっつけ仕事では問題外となってしまう。

 書き終えたら、白封筒に入れるのだが、表書きがいる。表書きは中央上部から大きな字で「身 上 書」とバランスよく書く。そしてその左下に自分の名前をフルネームで書く。下の余白は1文字分ぐらい残しておく。これを履歴書と同封するわけだ。筆の方が見栄えがよいのは確かだが、筆が使えない人は「サインペン」のようなもので太く書く方法もある。

 たいていの場合、このような身上書をつけるのは予めそのような約束ができているからであり、決して普通に要求されるものではないことは憶えておこう。たとえば、心強い紹介者がいるような場合である。  


2013年02月09日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月09日09:51Comment(0)

履歴書を書く

 都会では1人の募集に数十人、場合によっては100人近くが応募してくる時代である。このような時に、差別化として毛筆で履歴書を書けば目につくことは確実だろう。ただ、それが採用に結びつくかどうかは別問題である。企業は毛筆で目立つ人を探しているわけではないからである。



 だが、試してみる価値はある。そのような冒険心に溢れた人のために毛筆(筆ペンも含む)による履歴書の作成を考えてみよう。書く内容は以下の通りで、普通の履歴書と何ら変わらないが、市販の履歴書用紙のような枠線は使わない。せいぜい縦罫線ぐらいである。

 ①履歴書のタイトル
 ②本人氏名/生年月日/住所/本籍地
 ③学歴/職歴/賞罰(タイトルは1行分)
 ④資格/趣味/特技
 ⑤志望理由/自己PR

 *筆書きはワープロ文章より1枚に書ける字数が少なくなるので、枚数が増えるが、せいぜい2枚までにしないと読んでくれない可能性がある。
 
 毛筆で書くときには美濃半紙を用いるとよい。wikipediaによると、美濃和紙(みのわし)とは岐阜県で製造される和紙で、通商産業省(現経済産業省)伝統的工芸品に認定されているものだ。なければ、別の物でも構わない。粗末なものでなければよい。

 筆は「かな」や「写経」に使用するものを使い、できれば硯を磨って書く方がよい。ペンのように傾けて書くと線が太すぎて見栄えが悪くなるので、できるだけ立てて書こう。もちろん、筆ペンで書けるならそれでも構わない。最近は筆ペンも種類が多く改良が進んでいるので文具店で探して見るのもいいかもしれない。何でも研究である。

 紙がずれるようなら「文鎮」を使う。また、下敷きはフェルトのものより硬筆用の「ソフト下敷」きを使った方が凹凸がなくて書きやすいと思う。実際に試してよければ使えばいいというレベルの話である。

 罫線付の和紙に書く場合は、文字の大きさバランスを整えやすいが、罫線なしの場合は難しいので、罫線のある紙を下に敷いて書くという方法で書いた方が整いやすい。なお、横書きの場合は、字のバランスが整いにくいので、横書きに慣れていない人はやめた方がいい。縦書きの方が荒が出にくいはずだ。

 それでは、健闘を祈る。   


2013年02月07日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月07日16:58Comment(0)

色紙に書くには

 「半切」とか「全紙」に作品を書き上げるのは、展覧会とか、個展を開くことを想定している書家ぐらいだろう。もちろん資格試験で課題として書く場合は受験者ということになるが、いずれにしても日常的なものではない。



 日常的には、もっと手軽でちょっと飾れる程度のものが好まれる。当たり前のことだが、誰でも書家になれるわけがないのだから。そういう条件に合うのが色紙や短冊だ。有名人のサインなんかはたいてい色紙だ。筆ペンで書いてくれる人もいるし、油性マジックで書いてくれる人もいる。さまざまである。

 今回は色紙の書き方を考えてみよう。文具店に行けばたくさんの種類の色紙が売られているのでどれを買おうか迷ってしまう程である。色紙は半紙よりは少し小さ目で、分厚く、保存に適している。色紙の表面の素材もパルプ紙、画仙紙、絹などがあり、それぞれ書き心地、墨の乗り具合が違う。滲みが欲しいとか、擦れが欲しいという場合には色紙の種類を選ばなければならない。スーパーや100円ショップではその要求にこたえることが出来ない。そんな時には書の専門店に行って購入しなければならない。

 さて、色紙に書くにあたって最初に考えておくことは、失敗した場合のことだ。予備があれば、それに越したことがないので2~3枚余分に購入する。1枚は練習に使って、墨の乗りや書き心地を試すのだ。しかし、色紙が決められている場合(どこにでもないような色紙だった場合)は、とりあえず紙質の似た色紙を購入しておいて、まずそれに書いてみるのが一番だ。「一発勝負」というのはできるだけ避けたいものだ。時間がない場合や類似のものが無い場合は仕方がない。

 普通、色がついてきれいな方や画仙紙の場合は白い方に書くのが正しい。最近はきれいな装飾シールが売られているのでワンポイントで貼りつけることが出来る。墨色鮮やかな書で勝負というような人以外は楽しんで貼ればいいのではないかと思う。

 文字数は特に制限はないので、何文字書いても、あるいは一文字でもいいのだが、色紙に対する大きさというのはおのずと決まっているので、見栄えを考えて書く。「散らし書き」のできる人は、それらしく書けばいいし、4行詩や漢文を書く人は揃えて書いた方が整然として美しく見える。縦書きでも横書きでも問題ないが、漢字の横書きの場合は右から読むのが日本の書の習慣なので合わせた方がよいと思う。もちろん現代風に左から読むように書いても、個人で楽しむ分には問題ない。ただし、展覧会や競書展には絶対出さないように。(書の常識を疑われるので)。

 筆は文字の大きさに合わせてふと筆にするかほそ筆にするかを決める。タッチが柔らかいものが欲しい時には羊毛筆、タッチの鋭いものが欲しい時には兼毛筆と使い分けた方がやりやすい。筆ペンでも書けるのであれば、それを使えばよい。ただ、筆ペンだと墨の量の調節がうまくいかないので、墨量の多い字を書きたいのであれば、筆にした方が無難である。

 「雅号」、及び「雅号印」は左隅に書くのが普通なので、その分は余計に余白を取っておいた方がよい。「引首印」を押すときには右上に押せるように右の余白を余分に取る必要がある。「姓名印」、「雅号印」共に持っている時には両方を上下に押しても構わない。白地に朱肉の赤は目立って美しく見えるので。ただし、色紙に押せる雅号印の大きさは決まっているので、半切用の雅号印を押したりするとちぐはぐに見えるので、用紙の大きさを考えて押すことが重要である。

 寄せ書きの場合は、それぞれが自筆で書くので味わい深いものができる。これは記念ものなので字や文章の上手、下手は関係ない。ただ、後に残るので文章は後悔しないものを書こう。  


2013年02月05日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月05日14:03Comment(0)

アクリル板に書く方法

 紙以外のものに書くときには、その材質の性質を考えて書かないとものにならない。プラスチック版とかアクリル板に書くときには、紙に書くときとは別の考え方をするのが普通だ。

 例えば、プラスチック製の札にはプラスチックに合ったペイントを溶いて書いていく。「間接光」の場合はそれで何とかなるのだが、アクリル板のように中に電光を入れて文字を浮だたせるものはそうはいかない。「直接光」の問題である。



 パーティー会場や控室の入口に設置されている「飛燕の間」とか「立花様控室」などと書かれているものがそうだ。たいていの場合、アクリル板に固有名詞以外はシルク印刷がされており、何度でも使いまわしができるようにしている。

 アクリル板に文字を書く場合、滲みが出ず、筆に抵抗感(摩擦)がないので、いつものように書くとスルッと滑ってあらぬ字になってしまう。ヒョロヒョロの字を書いたのではシルク印刷部分と違和感が出るので筆圧をかけて表面をなぞるように書く。直接光なので墨が薄いとムラが出てしまうので、文字の濃淡があまり出ないように書く技術が必要である。

 茶板(ホテルや旅館の玄関に「立花様御席」などと書かれているもの)は黒い板に白のポスターカラーで文字を書く。墨以外のものも使うことが多いことも覚えておいた方がよい。

 板はアクリル板や木製のものがあり、どちらも表面がツルツルして滑りやすい。油絵のように絵の具が表面に凸凹と残るようなことになっては失敗である。芸術ではないのだから、ムラになったり、乾いたときに剥がれてしまったのでは茶板にならない。

 そんな時には、にかわ液をポスターカラーに少量混ぜて書くと、きれいに仕上がるようだ。何事も工夫が必要で、出し惜しみをしてはいいものはできない。  


2013年02月03日
Posted by カミロイ人 at ◆2013年02月03日11:21Comment(0)

目録の書き方

 競技大会や式典で記念品や賞品を贈る時に、贈るもののサイズが大きかったり、種類が多かったり、抱えきれないほど重かったり、多額の金銭だったりすると、そのままでは渡せない。そこで登場するのが、「目録」である。



 世界大百科事典 第2版によると、目録には「収蔵しているもののリスト」という意味と「贈り物・進物などの実物の代わりに贈る品物名のリスト」という意味があるとのことだ。また、武術(剣術や柔術など)や芸道(華道や舞踊など)を弟子に伝授し終わったとき、師からその名目などを書いて与える文書のことをいう時もある。そういえば、幼い時によく聞いた「免許皆伝」などという言葉も久しく聞かなくなった。

 さて、その書き方なのだが、通常は市販の目録セットを買ってそれを使うのだが、自分で作る時は以下のようにして作成する。
 ①用紙は中奉書紙で横長に二つ折りしたら、折り山を下にして、縦に三つ折りにする。
 ②三つ折りを開いた右面中央に目録と一番大きく書く。(いくぶん上に寄っていてもよい。)
 ③中央面に贈答品名(大きめに書く)、数量と「右贈呈いたします」の文面を書く。
  例) 一、柱時計   弐台 
     一、クリーナー 参台
     一、コピー機  壱台
  ※品物が多い場合にも例のように書き、二、三、という様には書かない。
  ※品物の書きはじめは中央位置で、品目が多い場合はやや右位置から書きはじめる。
  ※「贈呈」のかわりに「進上」と書いて目上の人に敬意を表すときもある。
 ④左面には日付(通常は和暦)、贈り主、贈り先(目録の次に大きく)を書く

 書き終わったら、左、右の順で折りたたみ、さらに大きめの奉書紙で上包みをする。上包みの表書きは「目録」とする。熨斗をつけ、水引は紅白または金銀の蝶結びとする。(水引がなくても構わないが、これもその地域で暗黙の了解があるので前もって調べておいた方が無難である。)

 表書きの目録は水引の上に書いても、上下に分けて書いても構わないことになっている。裏面に送り主を書くかどうかだが、通常は中に送り主の名を書いているので省略することが多い。

 奉書紙のサイズだが、以下のように規格になっている。
  小奉書は縦33.3cm、横47cm
  中奉書は縦39.0cm、横52cm
  大奉書は縦39.5cm、横53.3cm