2014年01月17日
Posted by カミロイ人 at 2014年01月17日18:15Comment(0)

漢詩の世界もまた

 新年の最初の清玄実用書の会では三国志でお馴染みの曹操の漢詩を書くことにした。後漢末期から三国時代にかけて、『建安の文学』という漢詩の黄金期が花開いた。それを創始し、擁護したのが魏の武帝、曹操である。

 曹操の詩は楽府(がふ)という。当時の民間の歌謡を取り入れて曹操が創始した詩の形式で、後の五言詩などの漢詩の原形になっている。おおらかで率直な作風が特徴で、それまでの堅苦しい詩の世界に新風を吹き込んだ。

漢詩の世界もまた

 今回はその中の馬にちなんだ漢詩を選んでみた。歩出夏門行(ほしゅつかもんこう)である。

   神亀雖寿
   猶有竟時
   騰蛇乗霧
   終為土灰
   老驥伏櫪
   志有千里
   烈士暮年
   壮心不已

 まあ、昔の孔子の「論語」を暗唱していた頃の世代ならば、「ふむ、ふむ」と読んでしまうのだろうが、現代人はそうはいかない。漢詩の読み下しでもよく分からない人が多い世の中なので、現代風の意訳を見てみよう。
http://kanshi.roudokus.com/hosyutsukamonkou.html
漢詩の朗読 左大臣光永より
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亀の中には稀にものすごい長寿のものがあるというが、
それでも命に終わりはある。

竜は霧に乗って舞い上がるというが、
最後は土くれになってしまう。

しかし千里を駆ける駿馬は、たとえ老いて馬屋にあっても
志は千里を駆け巡っている。

男児たるもの、年老いたからといって
熱い気持ちを止められるものではないのだ
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 今回は色紙に書く課題とした。4文字づつを2段に書いていきまとめる。勇壮な詩なので、楷書か隷書が欲しいところだが、行書も捨てがたいので、各自の選択とした。実際に書いて飾ってみると、品があって見栄えがよいので、新年に相応しい書き初めとなった。


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漢詩の世界もまた
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