Posted by あしたさぬき.JP at ◆

 

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2012年11月09日
Posted by カミロイ人 at ◆2012年11月09日09:34Comment(0)

横書きが採用されて

 あなたの会社の報告書は縦書きだろうか?もしそうなら旧来の日本様式を守っている貴重な部類の会社になる。もちろん、他の会社とのすり合わせが大変だろうが。

 『横書き登場 -日本語表記の近代-』(屋名池 誠,岩波新書)によると、昔の日本人は、横に長いものがあると「右から左」に目を移動させるような感性を持っていたらしい。江戸時代になるとヨーロッパの文化が伝えられる。これは言語にしても数字にしても「左から右へと横に書く」文化である。 今でこそ、日本語も「左横書き」が普通になっているが、本来の日本語には「横書き」は存在しない。もしも横に書かれた漢字があれば「右から左へ」と読むのが日本文化なのだという。

 日本語は「縦書き」、「漢数字」、「右から左」、「上から下」へ読むのが普通だった。ヨーロッパは「横書き」、「アラビア数字」、「左から右」、「上から下」が普通だった。全く逆の発想だが、日本は第2次世界大戦で敗戦するまではこの方式をかたくなに守っていたようだ。

 戦後、GHQの指導や公官庁が横書き、アラビア数字、左から右のヨーロッパ方式を採用した結果、まず大企業が、次いで中小企業がこの書式を受け入れたようだ。ビジネス書式が違うことを理由に商売ができないのでは大変だ。そこはうまく妥協したのだろう。

 学校教育でもヨーロッパ形式の書き方を教えたので、現在ので若い世代は抵抗なくこの事実を受け入れている。GHQは本当は日本語を廃止して英語にしたかったらしいが、もしそうなっていたら書道がどうのこうのという話は一切存在しなかったかもしれないのである。

 これも指摘されて調べてみたのだが、「日本のコミック」は右から左へ読むようにコマ割りされている。「欧米のコミック」はどうかというと、これが左から右へ読むようにコマ割りされているのだ。アメリカンコミックなどはなかなか見る機会はないだろうが、スヌーピー(ピーナッツ)ならほとんどの書店においてある。これを見てみると確かに左から右へ目が行くようにコマ割りされている。日本人は完全に同化していないのである。

 現在の「ビジネス文書」は、ビジネス上の効率を上げるために徹底がはかられた。報告書や、提出書類、社内文書、社外文書などそれ以前は出鱈目がまかり通っていた。それを統一したのは何だったかというと、実はコンピュータなのである。コンピュータほど規格を重視するものはない。ということで、人間はコンピュータのいうことを聞くことになったのである。